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祭を終えて


夕暮れ時にいつも町のそこかしこから聞こえていた太鼓や囃子の音がぱったりと止みました。
七日間の祭りのあいだ、神様は神輿に乗って町を駆け回り存分に楽しんでいかれたのでしょう。


この半年でこれまで縁のなかった人との間に新しい関係が数えきれないほど生まれました。
若者達が通りを流して叩く太鼓の音に祭本番への気持ちが日ごとに高まり、町全体の人々の祭への思いが結束していきました。
「顔見世」の時には神輿ごとの御祭神の名前や各区の名前を入れた揃いのTシャツを着た若連中が、こぞってやって来ては舞台を取り囲み声を限りに声援を送りました。
その姿はまるで、神々の集いのようでもありました。


半年の間ひたすら繰り返される練習の中で、奉納のために技を磨きながら生まれてくるのは「共有」と「人情」です。
それは“喜び“ “苦しさ“ などいろんな色が混ざりあった「思い」です。
その「思い」こそが次の祭への力を産み育てる源になっていくのです。
祭の真価は祭が終わってから時間をかけて表れてくるものだと私は思っています。


    令和元年7月1日

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